望映鏡
令和6年
防衛協会会報第168号(6.10.1)掲載
日本を「真っ当な国」にするために
滋賀県防衛協会 会長
河本 英典
防衛協会会員の皆様、日々の「防衛意識の普及高揚」、「自衛隊への激励支援」などの各種活動に深く感謝するとともに深甚なる敬意を表します。さて、令和6年は元日から能登半島地震が発生するなど、激動の始まりとなりました。自衛隊は陸上自衛隊中部方面隊を主体に迅速に現場に急行し、数日後には統合任務部隊が編成され、陸海空自衛隊の各々能力を相互補完・相乗効果を発揮し、被災者に寄り添いながら的確に対応されました。
わが国を取巻く安全保障環境は、ロシアによるウクライナへの侵略行為は2年以上経過しても終わりの状況は見えず、北朝鮮は度重なるミサイル発射実験を実施し、核・ミサイル開発を急速に進展しているなど、「わが国は、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」ということを何度も耳にします。
米国では今年11月に米大統領選挙がありますが、もしトランプ氏が大統領となれば、「米国第一主義」の傾向が強まるものと予測します。そうなれば、日米同盟を基軸としつつも、やはり「自分の国は自分で守る」との意識・覚悟を全日本人が持つべきだと考えます。ロシアによるウクライナ侵略でも、戦力差がありながらもウクライナが善戦している要因の一つは「自分の国は自分で守る」との意識が強くあるからではないでしょうか。
日本において、昭和30・40年の時代は、「自衛隊反対」、「自衛官は税金泥棒」、「憲法が日本を守る」
等の主張が世の中に一定数あったものと思います。そんな中でも自衛隊は地道に訓練を重ね、国内外の災害時には速やかに献身的に対応し、今ではそのような主張は一部であり、多くの国民は自衛隊の活動を理解・信頼しているように思います。しかし、一部の左翼的な知識人などによる、いわゆる反戦活動が未だにあるのが極めて残念であります。是非とも自衛隊の皆さんにはこれらの活動等に負けることなく、国家防衛という崇高な任務を有する気概と自信をもって日々の訓練に励んで頂きたいと思います。
防衛協会会員皆様におかれましては、地域住民に対し引き続き、自衛隊の存在意義や魅力の普及を行って頂き、世界の先進国同様、国家を守る実力組織として自衛隊が国民から感謝され相応しい処遇が与えられるよう、日本が「真っ当な国」となるよう会員皆様の各々の立場で応援・ご尽力して頂きたいと思います。
滋賀県は古代より、東海道・東山道(中山道)・北陸道が合流する陸上交通の要衝にあり、日本一の琵琶湖を有し、住みやすく穏やかな県であります。滋賀県防衛協会は、引き続き、県内自衛隊の活動を支援・協力し、ここ滋賀の地から「日本を真っ当な国」になるように活動していく所存であります。
最後に、全国防衛協会の益々の発展と会員皆様方のご健勝とご多幸を祈念申し上げます。