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過去のオピニオン・エッセイ

エッセイ

リムパック2018における 12式地対艦誘導弾の射撃   軍事フォトジャーナリスト 菊池雅之氏
2022-10-01
防衛協会会報第160号(4.10.1)

リムパック2018における12式地対艦誘導弾の射撃


 今、再び脚光を浴びている装備があります。それが地対艦誘導弾です。最新式の12式地対艦誘導弾は、島嶼防衛の要として大いに期待されています。 
 先代の88式地対艦誘導弾のように、陸上から敵艦艇を攻撃する点は変わりませんが、性能は、格段に向上しました。見た目も大きく変わり、キャニスターの形状が筒型から箱型に代わりました。また土台の車両も74式特大型トラックからさらに走破性の高い重装輪回収車をベースとしました。

 88式地対艦誘導弾を運用する部隊として、1992年から2001年の間に6個の地対艦ミサイル連隊を新編しました。しかし、東西冷戦が終結すると、「もう必要がない装備なのでは?」とすら言われる時代が来ます。ロシアの脅威が減じ、他国が海を渡って攻めて来る可能性は低いと見積もられたからです。そこで、第6地対艦ミサイル連隊(宇都宮駐屯地)については、創隊から10年で廃止されてしまいました。

 しかし、2010年以降、中国による覇権主義的海洋進出は日本の新たな脅威となりました。侵略を目論み我が国に近づく敵艦艇を離島地域から攻撃できる地対艦ミサイルは今では日本に必要不可欠な装備となりました。これが再び脚光を浴びた理由です。

 特に九州・沖縄エリアを担当する第5地対艦ミサイル連隊(健軍駐屯地)はどんどんと増強改編されていきます。先んじて12式地対艦誘導弾が配備されただけでなく、第4地対艦ミサイル連隊の1個中隊を編入し、2個中隊を新編して連隊に編合し、新たに開庁した瀬戸内分屯地や宮古島駐屯地へと配置していきました。

 そんな第5地対艦ミサイル連隊が、米軍と協力し、対艦射撃訓練を実施することになりました。それは、2018年6月27日から8月2日までの間に行われた環太平洋合同演習「リムパック2018」での出来事でした。もちろん同部隊の「リムパック」参加は初めてです。

 日本人にはお馴染みのオアフ島の北に位置するカウアイ島には、バーキングサンズ基地があります。この基地の役割は、洋上にある射爆場、PMRF(太平洋ミサイル射場)を管理すること。7月12日、この基地から、90㎞離れたPMRF内に浮かべたニューポート級戦車揚陸艦「ラシーン」を標的として、射撃訓練を行いました。

 射撃を行うのは同連隊第4中隊の12式地対艦誘導弾と、米陸軍第17砲兵旅団のHIMARSです。米海軍のP―8及び海上自衛隊のP―3Cが目標を捜索。情報を日米陸上部隊へと伝えました。

 この日、日米は2回射撃を行いました。日本は1回につき2発を撃ちましたので、計4発を撃ちました。    

 注目すべきはフェーズ2です。まず、HIMARSが5発を発射しました。これは囮です。敵は、立て続けに飛んでくるロケット弾を撃ち落とすべく、近接防御火器を使います。こうして敵のミサイルを撃ち尽くさせるのが目的です。少し遅れて12地対艦誘導弾が2発立て続けに発射されました。日米が撃ったタイミングは異なりましたが、ほぼ同時弾着を狙ったそうです。後ほど米軍が撮影した映像を見せてもらうと、日本が放った2発は「ラシーン」のど真ん中に命中しておりました。

 来年度には、新たな地対艦ミサイル連隊を創設する動きもあります。皆様も地対艦ミサイル連隊及び12式地対艦誘導弾には要注目です。

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