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自衛隊活動記事等

令和5年

防衛協会会報第161号(5.1.1)掲載 祝 防衛研究所創立70周年
防衛研究所の使命
◎防衛省のシンクタンク
◎唯一の国立の安全保障に関する学術研究・教育機関

 昨年2月のロシアのウクライナ侵攻後、防衛研究所の研究者のメディアへの露出度が急増し、報道番組等でコメントしている姿を連日目にしています。専門的な知識に裏打ちされた的確な情勢分析・情報発信力により、日本で唯一となる国の安全保障・軍事研究の専門家集団として、いろいろな場面で引っ張りだこになっており、一層の注目を集めています。防衛研究所は、昨年創立70周年を迎えた。これを機会に、今回、防衛研究所を特集して紹介します。                       (資料は防衛研究所提供)


防衛研究所の役割


 防衛研究所は、防衛省のシンクタンクであるとともに、我が国唯一の国立の安全保障に関する学術研究機関である。安全保障や戦史に関する調査研究を行うほか、戦史史料の管理・公開を担う。また、諸外国の国防大学に相当する教育機関として、防衛省・自衛隊の幹部職員及び他省庁の職員等への国家安全保障及び国の防衛に関する教育を行う。
 防衛研究所は、安全保障・防衛に関する議論の醸成や国家安全保障に関する政策支援のため、次のようなさまざまな取り組みを推進している。

安全保障に関する調査研究


 防衛研究所は、学問的な知見を有する文官の研究者と軍事的知見・実務経験を有する自衛官研究者が協力して我が国の安全保障に関する諸問題についての調査研究や戦史史料の調査・収集、研究を行っているほか、過去の出来事を当事者から聞き取り、記録に留めるという「オーラル・ヒストリー」を組織的かつ継続的に編集している。また、政府機関や国内外の大学、シンクタンクなどとも積極的に知的交流を推進している。

○研究課題
 防衛研究所の研究は、現在の日本を取り巻く流動的な戦略環境に対応するよう配慮しており、日本の安全保障に深く関わるテーマとして、①地域の安全保障情勢、②グローバルな安全保障課題、③防衛力の整備・運用・制度等に関する調査研究といった課題に取り組んでいる。

○政策シミュレーション
 政策シミュレーションとは、仮想的なシナリオを設定し、そうした状況に置かれたときに、自国がどのように対応すべきか、関係国はどのように対応してくるかを議論することで、具体的な政策課題に取り組む際のアイデアを導き出す手法をいう。特に米国において大きく発展し、国防・外交当局の政策策定の現場において広く取り入れられている。防衛研究所では、政策支援及び教育の場におい
て、政策シミュレーションを実施している。

戦史に関する調査研究


 防衛研究所は、我が国、防衛省・自衛隊における戦史業務本来の機能を具備した恒久的、総合的な戦史の調査研究部門として「戦史研究センター」を有している。戦史研究センターは、防衛政策や自衛隊の教育訓練上のニーズに適切に応えるため、国内外の戦史研究を行い、更に近年、歴史となりつつある戦後の安全保障政策史の研究へと幅を広げるとともに、戦前・戦中期の日本の国防に関する史料を管理し、広く一般公開している。


○研究課題

 最新の研究動向、史料をもとに戦史に関わる歴史事実を常に検証し続けるとともに、現在の日本の安全保障政策に歴史的観点から寄与するために、①先の大戦に関する戦史のさらなる研究、②戦後日本の安全保障政策史への取組み、③国際紛争史の調査研究といった課題に取り組んでいる。


○海外における戦史史料の調査・収集事業

 戦史編さんには、現在明らかであるとされる史実の検証に加え、これまで明らかとなっていない史実の発掘を絶え間なく積み重ねていくことが必要であり、史料の調査収集に力を入れ、新たな史実の発見に努めている。


戦史史料の公開


○所蔵史料

 陸海軍関連史料約10万冊、戦史関連図書約6万7千冊を所蔵。特に中核的な史料として、陸海軍省により作成及び編綴された陸海軍省大日記及び海軍省公文備考の2種類がある。このほか、陸海軍の各種命令文書、部隊日誌、戦闘詳報などの史料も所蔵。


○史料閲覧室

①開館時間:9時から16時半(入館は16時まで)

②休館日:土曜日(開館する土曜日(月1回)を除く)・日曜日、開館した土曜日の翌週最初の平日、国民の祝日・年末年始、特別な行事等の日

③所在地:〒162―8808 東京都新宿区市谷本村町5―1

④連絡先:03―3268―7102(直通)


教育


○国家安全保障におけるリーダーを育成する教育

 防衛省・自衛隊の高級幹部を対象に、国家安全保障及び国の防衛に関し、軍事的な視点のみならず政策的な視点からの教育を行う。


○教育内容

 防衛研究所では、毎年、一般課程と特別課程の2つの教育課程を実施するとともに総合職職員研修を支援している。

一般課程は、主として1佐クラスの幹部自衛官や課長補佐クラスの職員等を対象として行われる毎年9月から6月までの10か月間の教育である。また、防衛省以外の国の機関の課長補佐クラス、外国からの大佐・中佐クラスの軍人等の留学生及び民間企業の職員も研修員として参加している。

特別課程は、将補・1佐の幹部自衛官や内部部局課長クラスの職員等を対象として行われる教育である。

総合職職員研修は、入省3年目の総合職職員を対象として行われる研修である。


国際交流


防衛研究所が行う国際交流には、2つの役割がある。

1つは、防衛省の防衛交流・安全保障対話の一翼を担う機関として、各国の国防研究機関との間で、研究交流・教育交流を行い、地域の安全保障環境の向上に寄与すること。

もう1つは、民間の研究者を含む海外の研究者・専門家との間で、ネットワークを構築し、安全保障問題に関する議論を通して、共通の理解を深めることである。


研究成果の発信


 防衛研究所は、さまざまな形で所属研究者による研究成果の発信に努めている。防衛研究所ホームページでの出版物やコラムを掲載・発表するほか、各種の公開セミナーを開催することを通じて、広く知見を提供するとともに、国内外の安全保障研究コミュニティとのつながりを促進している。


○出版物

①東アジア戦略概観

主に朝鮮半島、中国、東南アジア諸国、ロシア、米国及び日本を対象に、東アジア地域の戦略環境や安全保障に関する重要な事象について、防衛研究所の研究者が内外の公刊資料に依拠して独自の立場から分析した年次報告書

②中国安全保障レポート

 防衛研究所の研究者が独自の視点から中国の軍事・安全保障動向を分析

③安全保障戦略研究

 日本における安全保障に関する学術研究の発展及び国民への知識の普及に寄与することを目的として、令和2(2020)年に刊行された専門的な学術誌

④戦史研究年報

 戦史に関する研究論文及び戦史研究センターの活動を掲載するとともに、戦史史料に関する情報を掲載

⑤戦史特集

 朝鮮戦争休戦協定60周年(2013年)を節目

に、これまでの防衛研究所における朝鮮戦争に関する調査研究の成果から、特に日本との関連を分析した論文を集大成して、刊行

⑥国際紛争史研究

 フォークランド戦争開戦30周年(2012年)を節目に、外交的側面及び軍事的側面から分析する「フォークランド戦争史」と湾岸戦争開戦30周年(2021年)を節目に、国内外における最新の研究成果などを活用した「湾岸戦争史」を刊行


○公開セミナー

 防衛研究所はさまざまな国際会議を主催しており、「安全保障国際シンポジウム」や「戦争史研究国際フォーラム」など、一部は一般の方も聴講対象として公開


〇ホームページ・SNS

 防衛研究所ホームページ(http://www.nids.mod.go.jp)におい て、近年の出版物と各種会議等の報告書など、よりくわしく防衛研究所について紹介

 我が国唯一の国立の

 安全保障に関する

 研究・教育機関として

  防衛研究所長 川崎 方啓
 防衛研究所は、防衛省のシンクタンクであるとともに、我が国唯一の国立の安全保障に関する学術研究・教育機関です。令和5年1月現在、防衛研究所には約90名の研究者が所属しており、当所では、安全保障や戦史に関する調査研究を行うほか、諸外国の国防大学に相当する教育機関として、防衛省・自衛隊の幹部及び他省庁の職員等への教育を行っております。
 さらに、防衛省の防衛交流・安全保障対話の一翼を担う機関として、各国の国防研究機関との間で、研究交流・教育交流を行うとともに、民間の研究者を含む海外の研究者・専門家との間で、ネットワークの構築や安全保障問題に関する共通の理解を深めることを目指して、各種国際会議の主催や研究者の海外への派遣及び招へいなどを行っております。これらの成果についてはさまざまな形で、情報発信に努めております。
 こうした当所の取組は世界的にも注目を集めており、米ペンシルベニア大学TTCSP(Think Tanks and Civil Societies Program)が発表する「2020世界シンクタンク報告」の防衛・安全保障部門ランキングにおいて、防衛研究所は、全110機関のうち2年連続で第9位に選出され、アジアでは最高位となっています。
 また最近では、令和3年8月、防衛研究所は、文部科学省及び日本学術振興会の科学研究費助成事業(科研費)への応募が可能となる研究機関に指定されました。これにより、所外の大学・シンクタンクの先生方との共同研究を積極的に推進するなど、一層の研究能力の向上に努める所存です。
これからも、皆様に安全保障に関する知識や情報を正確に発信できるようさまざまな手段を含めて取り組んでまいりますので、ぜひ防衛研究所のことを知り、関心を寄せていただきたくお願い申し上げます

【プロフィール】川崎 方啓(かわさき まさひろ)
昭和39(1964)年3月生まれ。東京都世田谷区出身。東京大学工学部卒業。
主要職歴:人事教育局長、大臣官房審議官、外務省大臣審議官、大臣官房米軍再編調整官



防衛協会会報第161号(5.1.1)掲載 海上自衛隊創設70周年記念 令和4年度国際観艦式

   大海原を威風堂々と進む

      精強自衛隊は日本の誇り

 令和4年11月6日(日)、海自創設70周年を記念した「令和4年度国際観艦式」が、神奈川県沖の相模湾において、自衛隊最高指揮官の岸田文雄首相を観閲官として護衛艦「いずも」(観閲艦)に迎え、自衛艦隊司令官の湯浅秀樹海将が執行者を務めて実施された。また、「いずも」には浜田靖一防衛相、小野田紀実政務官、磯﨑仁彦内閣官房副長官、鈴木敦夫事務次官、酒井良海幕長等の防衛省・自衛隊等の幹部や、参加各国の海軍参謀長等が乗艦した。
 海幕によると、今回の国際観艦式は「隊員の使命の自覚及び士気の高揚を図るとともに、西太平洋海軍シンポジウム加盟国間の信頼醸成や友好親善を促進し、地域の平和と安定を図る」ことが目的。なお、我が国を取り巻く極めて厳しい安全保障環境の中、海自の任務遂行と観艦式を両立させることが必要であり、従来規模の艦艇による実施は困難であること、また、新型コロナウイルス感染症対策を適切に講じる必要性があることを踏まえ、総合的に判断し、今年の国際観艦式は無観客開催とされた。
 今回は、観閲艦艇と受閲艦艇がそれぞれ単縦陣で互いに航行(反航)しながら観閲する国際観艦式では珍しい「移動式」で行なわれ、祝賀航行の外国艦艇については、それぞれのグループを海自護衛艦が見事に先導役を果たした。

参加規模

◆海上自衛隊:艦艇20隻、航空機6機
◆陸上自衛隊:航空機5機、車両等(輸送艦に積載)
◆航空自衛隊:航空機16機(ブルーインパルス参加)
◆海上保安庁:巡視船1隻
◆外国海軍等
 ◇艦艇:12か国、18隻(豪、ブルネイ、加、印、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、
     パキスタン、韓国、シンガポール、タイ、米国
 ◇航空機:2か国6機(米国【海軍機及び海兵隊機】、フランス【海軍機】)

 また、国際観艦式の模様は、ユーチューブにて映像配信されており、10月29日(土)から11月13(日)までを「フリートウィーク」と称し、国内外参加艦艇の一般公開や音楽演奏、広報イベント、パレードなどの各種イベントを行い、国際観艦式を盛り上げた。
受閲部隊に答礼する岸田首相(左から2人目)と(右端から)小野田政務官、浜田防衛相、酒井海幕長(出典:防衛省HP)
    観閲艦艇部隊(右列:先頭は観閲艦「いずも」)と反航する受閲艦艇部隊(左列)(出典:防衛省公式FB)
岸田文雄首相訓示
 この度、我が国が西太平洋海軍シンポジウム及び国際観艦式を主催できましたことを光栄に思います。歴史を振り返るとき、人類は、海を巡ってしばしば対立する一方、人の交流や海洋貿易など海を通じてつながってきました。海軍力は、国益を守り、国家のプレゼンスを高めるといった各国にとって不可欠な存在となり、海の安全、特にシーレーンの安全確保を通じて、世界の発展と繁栄を支える役割も担うようになりました。 
 そして、海軍力が公共財としての役割を果たすようになったことに加え、軍事的プロフェッショナリズムの重要性が高まると、海軍軍人には、専門的な知識のみならず、職業軍人としての倫理も求められるようになりました。
 こうした歴史的背景も踏まえながら、これまで世界各国の海軍軍人の一人一人が、海軍の果たすべき役割と責任を深く理解し、シーマンシップの伝統を受け継いで、他国との信頼関係を構築してきました。
 この西太平洋海軍シンポジウムでは、1988年の開催以来、2年ごとに西太平洋地域の海軍のリーダーが集い、協力的なイニシアティブについて議論を交わしてきています。現在は、22のメンバー国と8のオブザーバー国から構成され、それぞれのバックグラウンドは異なりますが、全ての加盟国が信頼を醸成することを目指す、多国間海軍協力の枠組みとなっています。
 例えば、他国の海軍同士が思いがけず遭遇した際に、艦艇や航空機がどのような行動をとるべきかを示した海上衝突回避規範の合意を始め、西太平洋地域において、海軍のプロフェッショナリズムやシーマンシップを浸透させるために主導的な役割を果たしてきました。 
 本日、数多くの国々から艦艇及び航空機の御参加をいただき、心より歓迎いたします。この機会をとらえ、我が国、そして自衛隊との信頼関係をさらに強固なものとすることを期待するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、皆さまの国々を始め、諸外国との協力関係を一層深めてまいります。 
 こうした連携と信頼を高めるための皆様の懸命な努力の一方で、半年以上も緊迫した情勢が続くロシアによるウクライナ侵略は、先人たちの長きにわたる努力と犠牲の積み重ねの上に築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、欧州のみならず、アジアを含む国際社会全体にとって深刻な事態です。
 また、東シナ海や南シナ海を含め、我が国を取り巻く安全保障環境は、急速に厳しさを増しています。  
 北朝鮮は、今年に入り、かつてない高い頻度で、新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含む弾道ミサイルの発射を繰り返しており、我が国上空を通過させる形での発射も強行しました。北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。
 今回のウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更の試みは、世界のどの地域でも、決して許してはなりません。
 国民を守り、地域の平和と安定を確保するためには、対立を求めず、対話による安定した国際秩序の構築を追求することが基本です。
 しかし、それと同時に、ルールを守らず、他国の平和と安全を武力の行使や武力による威嚇(いかく)によって踏みにじる者が現れる事態に、備えなければなりません。我が国は、本年末までに新たな国家安全保障戦略などを策定し、我が国自身の防衛力を5年以内に抜本的に強化します。国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速しています。 
 そのなかでも、周りを海に囲まれた我が国にとって、海上防衛力は、我が国の戦略環境を大きく左右するものです。艦艇の増勢、ミサイル対処能力の強化、隊員の処遇改善を含め、その強化は待ったなしです。
 併せて、日米同盟の抑止力・対処力を、より一層強化してまいります。
 日本は、戦後77年間、地域の国々とともに繁栄するという強い思いを胸に、平和国家としての歩みを進めてきました。
 戦後の日本の平和国家としての在り方を、今後もしっかりと守るとともに、安全保障に関する我が国の取組について、透明性をもって、国民のみならず、国際社会に対しても丁寧に説明していきます。
この場にいらっしゃる各国の参加者におかれても、それぞれの安全保障政策について、透明性をもった説明に努めていただきたいと考えています。
 最後に、今回の国際観艦式を主催している海上自衛隊の皆さんに、一言申し上げます。
 皆さんの日々の強い使命感には、心から感謝します。 
 私は自衛隊最高指揮官として、皆さんのことを誇りに思います。
 皆さんは、我が国周辺での警戒監視に、日夜高い緊張感を持って臨んでいます。 
 また、民間船舶の安全確保のため、日本を遠く離れ、海賊対処活動や情報収集活動を行っています。
 御家族と離れ、長期間にわたり、雨の日も風の日も最前線で任務にあたる苦労は、計り知れません。
 しかし、皆さんの努力の積み重ねが、この国の、そして、地域及び世界の平和と安定につながっています。
 皆さんが備えることで、国民が日々憂いなく過ごすことができます。
 厳しさを増す安全保障環境の中にあって、国民の命や暮らし、そして、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、より一層鍛錬に励んでください。
 最後に、御家族の皆様に対し、隊員諸官に対する常日頃からの御支援に心から感謝を申し上げ、私の訓示といたします。
                                  令和4年11月6日             
                                      自衛隊最高指揮官               
                                       内閣総理大臣 岸田文雄



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