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特別寄稿

                      防衛協会会報第170号(7.4.1)掲載

「第2次トランプ政権が

日米同盟に与えるインパクト」

参議院議員 佐藤正久

本年1月20日に第2次トランプ政権が発足しましたが、就任当日からおびただしい数の大統領令を発出して、関税を武器として外交成果を勝ち取るトランプ・ディール戦争の幕が切って落とされました。また、トランプ大統領の意向を受けた特使等の動きを見ると、大統領選時から明言していた「中東とウクライナの戦争を早く終わらせて、そこに投資していた資源を対中国に振り向ける」意向には変化がないようです。更に我が日本の防衛費をGDP比3%にすべきと主張してきたコルビー氏が国防次官に就任したことから、今後、対中国「拒否戦略」に関わる日本の役割増が今まで以上に問われることが予想されます。私自身、外交・防衛に専門的に取り組む者としては、かなり責任の多い4年が始まったと一層気を引き締めて参ります。

 今後の日米防衛関係で、大きな焦点は、在日米軍の駐留経費(いわゆる「同盟強靭化予算」)と次期国家防衛力整備計画です。両方ともトランプ大統領任期中に改定時期を迎えます。トランプ政権は、NATOに対し「(ウクライナ含め)欧州のことは欧州で守るべき」「GDP比5%の国防費を求める」等米側はかなり高い球を投げて来ています。日本も例外ではなく、台湾有事で一番影響を受ける第三国は日本なのだから、日本も同盟強靱化予算を含めて防衛費を増やすべきとの主張は、第1次政権時から言及していますので、第2次政権では更に額が増えかつ要求も具体的なものになる可能性も十分あります。2月7日の日米首脳会談では防衛費に関し具体的な数字は出ずに、「2028年度以降も防衛力の抜本的強化を継続する」文言で折り合いましたが、大事なのはこれからです。一方、この会談で日本側は、尖閣諸島に対する日米安保条約第5条(米国の防衛義務)の適用を確認できましたが、国務長官のルビオ氏が、以前言及していた日本の尖閣諸島の領有権までは、今回の共同声明では取れませんでした。このチャレンジは、日本の防衛力と外交力強化の延長線上にあり、日米同盟の信頼性がより高まれば、トランプ政権も中国に配慮せずに、尖閣諸島は日本のものだと言えるでしょう。

 日本の防衛力の抜本的強化は、まだ端緒についたばかりの段階ですし、防衛関連予算増額の財源についても、まだ一部先送りする等議論中です。そこにトランプ政権から、防衛関連予算の大幅な増額や安全保障上の役割増が要求されたりすれば、少なからず混乱が起きるでしょうが、日本防衛の必要性について国民に説明するのは、政治の仕事です。米国に言われて防衛力を強化するのではなく、主権国家日本の意思として必要な防衛力を整備し、厳しい安全保障環境から日本を守ることが本筋です。「国防は最大の福祉」との言葉があるように、今後、国民を巻き込んだ骨太の防衛議論を行って行く必要があります。

 2025年は終戦から80年の節目の年であり、現代日本における安全保障の一つの分岐点ともなり得る年です。外交・防衛に取り組む者として、いかなる局面に際しても日本の国益を第一に考え、国政の場で汗を流すことをお約束いたしますとともに、そのためにも皆様からのご指導、ご鞭撻と大なる応援をいただけますことを切にお願いいたします。

 (全国防衛協会連合会特別会員)

                                 

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