マスク姿で『鹿島立ち』
令和2年度遠洋練習航海(前期) 第70期一般幹部候補生課程修了者
海上自衛隊の実習幹部約155名(うち女性:約10名)を乗せた遠洋練習航海部隊(指揮官:練習艦隊司令官 八木浩二海将補)が、海自呉基地を6月9日(火)出港した。7月22日(水)までの44日間、実習幹部は、練習艦「かしま」(4050トン)と練習艦「しまゆき」(3050トン)の2隻に分乗して実習を行う。
新型コロナウイルスの影響により、出発は例年よりも約1か月遅くなった。また、例年は十数か国に及んでいる寄港地も、今回はわずかに一国で、補給のためにシンガポール(チャンギ海軍基地)のみへの寄港が予定されている。
出国行事も、新型コロナウイルス感染防止のためソーシャルディスタンスを確保して行われ、呉基地の隊員と音楽隊のみによる簡素化された見送りとなった。
遠洋練習航海は、「実習幹部に対し、長期にわたる洋上生活、各種訓練を通じて、部隊勤務に必要な基礎的知識・技能を修得させ、指揮統率の基本を体得させるとともに、国内外に対する視野を拡大させることにより、将来の伸展性を有する幹部を育成する」ことを目的としている。
海自は、昭和32年以降、毎年遠洋練習航海を実施しており、今回で64回目。諸外国の訪問を通じて幹部自衛官としての国際感覚のかん養に資するとともに、友好親善の増進にも寄与してきた。
練習艦隊で世界各国を巡ることを心待ちにしていた実習幹部にとっては、新型コロナウイルスの影響で、大きな試練の中での船出となってしまった。新型コロナウイルスの脅威に怯むことなく、明るい希望をもって、乗艦実習に励んでもらいたい。
前期の遠洋練習航海終了後は、「艦艇職域」に限って、後期の遠洋練習航海が2か月程度予定されている。そのときには、訪問国への堂々とした寄港が叶うことを期待したい。
(写真は呉地隊HPより)