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過去の防衛省・自衛隊関連記事

令和5年

防衛協会会報第163号(5.7.1)掲載 防衛装備行政の“司令塔”防衛装備庁
                           防衛協会会報第163号(5.7.1)掲載

新たな時代・業務に対応した効果的な防衛行政を推進するため、防衛省の外局として平成27年に発足

 防衛装備庁は、防衛装備品をより効果的・効率的に取得するとともに、拡大する装備行政に的確に対応するために平成27年10月1日に発足した比較的新しい組織である。それまで分散していた防衛省内の装備取得関連部門(内部部局、各幕僚監部、技術研究本部、装備施設本部)を集約・統合した外局として「防衛装備庁」が新設され、併せて、監察・監査機能もより強化された体制となっている。

 昨年末の「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」策定により、防衛力の抜本的な強化策が示され、防衛装備行政の中枢を担う、防衛装備庁の役割も一層高まっている。

 本紙面では、防衛装備庁から資料提供等の協力を得て、その組織・任務の概要などを紹介する。

防衛装備庁設立の背景

◎効果的な防衛装備行政へ防衛装備品の適切な開発、生産、維持整備は、我が国の安全保障上、極めて重要である。特に、
 ①諸外国との防衛装備・技術協力の強化
 ②厳しさを増す安全保障環境を踏まえた技術的優位の確保
 ③防衛生産・技術基盤の維持・強化
 ④防衛装備品のハイテク化・複雑化等を踏まえた調達改革
等が重要な課題となっている。
 また、高品質の装備品の一層効率的な取得や、コスト管理の徹底を図るためには、装備品の構想段階から研究開発、取得、維持・整備といったライフサイクルを通じた、一元的かつ一貫した管理が必要不可欠である。これらに対応するため、平成27年10月1日に防衛装備庁が設置された。 
            
   

新たな時代・業務に対応するための組織の目的


1 統合的見地を踏まえ、装備品のライフサイクルを通じた一貫したプロジェクト管理の実施

2 部隊の運用ニーズについて装備面への円滑・迅速な反映

3 新しい領域(防衛装備品の一層の国際化、先進技術研究への投資等)における積極的な取組

4 調達改革の実現と防衛生産・技術基盤の維持・育成の両立

防衛装備庁の任務

1  防衛力の抜本的強化のための装備品の取得

昨年12月に閣議決定された国家防衛戦略では、

 ◆相手の能力と新しい戦い方に着目して、5年後の2027年度までに、我が国への侵攻が生起する場合に

  は、我が国が主たる責任をもって対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止・排除できるように防衛 

  力を強化する

 ◆おおむね10年後までに、防衛力の目標をより確実にするため更なる努力を行い、より早期かつ遠方で侵攻を

  阻止・排除できるように防衛力を強化することとされている。

防衛装備庁は、こうした防衛力の抜本的強化に必要な装備品の取得を効果的かつ効率的に行っていく。


2  産業基盤の強靭化
  我が国の防衛産業は、装備品の開発・生産・維持整備に必要不可欠な基盤であり、高性能な装備品の生産と
 高い可動率を確保するため、コストダウンや企業競争力の向上を図り、変化する安全保障環境に的確に対応す
 る必要がある。このため、企業間の競争環境の創出や、サプライチェーンの維持・強化、知的財産管理や情報
 セキュリティに係る措置の強化等の取組により、強靭な産業基盤の構築を目指す。

 防衛生産・ 技術基盤

 防衛生産・技術基盤は、いわば防衛力そのもの

  急速に進展する科学技術が安全保障の在り方を根本的に変化させ、諸外国ではその囲い込みが進められてい
 る昨今。装備品の安定的な調達を確保するため、いわば防衛力そのものたる防衛生産・技術基盤を我が国の国
 内において維持・強化していくことが必要不可欠である。
防衛力整備を支える防衛産業
3 防衛装備品の効率的な取得

  防衛装備庁では、装備品等の最適な取得を実現するため、ライフサイクル全体を通じたプロジェクト管理 
 (※)の取組を更に強化するとともに、我が国を取り巻く安全保障環境や厳しい財政状況も踏まえた効果的・
 効率的な装備品等の取得を一層推進している。具体的には、防衛装備品の構想から研究・開発、量産・配備、  
 運用・維持、廃棄といったライフサイクルを通じたプロジェクト管理の実効性及び柔軟性の向上、市場価格の
 ない装備品の製造等の適正な費用の算定への取組、専門的な知識・技能・経験を有する人材育成・配置等を行
 っている。

   (※)プロジェクト管理
     防衛装備品の研究開発や調達等の各種業務について、構想段階から廃棄に至るまでのライフサイクルを通じ、性能やコスト、
     期間といった要素を総合的に把握しつつ、効果的かつ効率的に行っていくための方針や計画を作成するなど、必要な調整を主導 
     すること。
電気のエネルギーを利用して弾丸を発射するレールガンの研究
4 技術的優越の確保と優れた防衛装備品の効果的・効率的な創製

  我が国を取り巻く安全保障環境は、極めて速いスピードで変化しており、これに対応できるよう、我が国の優れた科学技術を活かし、優れた装備品の創製を可能とする必要がある。このため、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域や、人工知能等のゲーム・チェンジャーとなり得る最先端技術を早期に獲得することを含め、研究開発を戦略的に推進するとともに、
  研究開発期間の大幅な短縮を図る。それに加えて、国内外の様々な研究開発関連組織との連携を深め、民生先
  端技術を積極的に防衛用途で活用するための各種施策を通じ、技術で我が国を守り抜くため、将来にわたって
  技術的優越を確保する。

5 諸外国との防衛装備・技術協力の強化

   平和貢献・国際協力への寄与並びに諸外国との安全保障協力の強化、効率的・効果的な自衛隊用装備品の取
  得及び我が国の技術基盤の維持・強化といった我が国の安全保障の観点から、防衛装備移転三原則の下での 
  装備品の適切な海外移転を含む防衛装備・技術協力を積極的に推進していく。
フィリピンへの警戒管制レーダーの移転 ※写真はイメージ(自衛隊保有のレーダー)
   DSEI JAPAN 2023年3月幕張メッセにて展示

次期戦闘機の日英伊共同開発

 

 昨年⒓月9日、日英伊は2035年までに次世代戦闘機を共同開発するという壮大な事業「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」を公表した。

 「航空優勢」の確保は我が国の防衛のための緒作戦を実施する上での大前提である。将来にわたって我が国の「航空優勢」を確保するためには、いずれの国においても実現されていない新たな戦い方を実現でき、将来にわたり、適時適切な能力向上のための改修を加えることができ、さらに、高い即応性等を確保できる国内基盤を有する次期戦闘機を、我が国主導で開発していくことが必要不可欠である。

 防衛省は、英国・イタリアとともに三か国の技術を結集し、コスト・リスクを分担しながら、将来の航空優勢を担保する優れた戦闘機を開発していくことになるが、その中核となる役割を果たしていくのが防衛装備庁である。

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