英空母打撃群日本寄港
日英安全保障・防衛協力関係を一層推進し日英関係は「新たな段階」へ
5月22日の英国出港以来、インド太平洋地域に長期展開中の英空母打撃群(CSG21)の英空母「クイーン・エリザベス(Q・E)」が、9月4日から8日までの間、在日米海軍横須賀基地に寄港し、海自横須賀基地には同群に加わるオランダ海軍フリゲート艦「エファーツェン」が5日に入港した。
9月6日、岸防衛相は「エファーツェン」と「Q・E」を視察し、日本寄港を歓迎した。「エファーツェン」
では、ペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ王国大使及び同艦の艦長と会談し、両国の連携を一層強化することを確認した。また、「Q・E」では、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使及びCSG21司令官のスティーブ・ムーアハウス英海軍准将と共に、艦上で共同発表を行い、日英防衛協力が「新たな段階に入った」との認識を示し、今後も継続して発展させていく決意を表明した。
今回の来日を機に、自衛隊は第2護衛隊群司令(今野泰樹海将補)を部隊指揮官として、CSG21との間で「パシフィック・クラウン21」と題する4フェーズの共同訓練を実施した(下表参照)。
今次東方遠征のCSG21は、NATO加盟国の米海軍・オランダ海軍が含まれた混成艦隊で編成され、航空部隊も英空軍と米海兵隊のF―35Bの混成編成となっている。このことは、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けて、英国のみならずNATOも関与していくという強い意思の表れともいえよう。
岸防衛相臨時記者会見
先ほど、オランダのフリゲート艦「エファーツェ
ン」及び英空母「クイーン・エリザベス」を視察させていただきました。「クイーン・エリザベス」艦上では、ロングボトム駐日英国大使、また、ムーアハウス英空母打撃群司令官と共に、今後の日英防衛協力の更なる進展について、私の決意を述べさせていただいたところです。
空母「クイーン・エリザベス」を中心とする英空母打撃群が日本に寄港する意義は大きく、その実現は、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化のため、英米及びオランダの関与とわが国との連携を安全保障・防衛面でも示し、地域の平和と安定を促進するものと確信をしています。
防衛省・自衛隊としては、今後とも、基本的価値と戦略的利益を共有する各国と共に、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化、そして、グローバルな安全保障上の課題への対処のために協働し、地域の平和と安定に引き続き積極的に貢献していく考えであります。