自衛隊 東京・大阪大規模接種センター 防衛協会会報第155号(3.7.1)掲載
大規模接種の先駆け
自衛隊の威信をかけた緻密なオペレーション
自衛隊 東京・大阪大規模接種センター
岸防衛相が菅首相から指示を受けた4月27日以降、迅速に準備が行進められ、予定通りの5月24日、東京・大阪に自衛隊大規模接種センターが3か月間の予定で開設された。短い準備期間にも関わらず、防衛省・自衛隊を中心とした官民スタッフの連携・運営は極めてスムーズで、ワクチン接種は順調に進捗している。
東京会場を例にあげると、良く訓練されたスタッフの対応はスマートで、被接種者の動線は間違えようのないシンプルさが追求されている。受付で手渡された赤・青・黄・緑のいずれかのファイルを手にした被接種者は、スタッフに手際よく誘導されながら、床面・側面に表示されたファイルと同色の矢印に沿って広い会場内の入り組んだ通路を進む。そして、専用の直通エレベーターで接種会場に移動し、長い動線を一度も迷うことなく無事に接種ブースまでたどり着く。入場口での検温・受付から接種・15分間の経過観察を終えて出場するまでわずか30分程度である。
多数の人間が介在する大規模なオペレーションを、民間スタッフの力も活用しながら極限まで「シンプル化」させた組織力は自衛隊ならではのものがあり、まさに、オペレーションの神髄といえよう。
菅首相『自衛隊は最後の砦』
初日の5月24日に岸防衛相を伴って東京会場を視察した菅首相は、自衛隊スタッフ等との懇談の場で「自衛隊は、新型コロナについても『最後の砦』として国民から期待されている。国民に寄り添いながら国民の命と健康を守るという役割を十分に果たすことを期待する」と激励した。
また、6月4日は岸防衛相が大阪会場を視察し、官民のスタッフを激励した。
また、6月4日は岸防衛相が大阪会場を視察し、官民のスタッフを激励した。
自治体等向け参考用資料の紹介
防衛省・自衛隊では、今回の大規模接種センターの開設・運営にあたり、取組んできたノウハウ等を自治体等向け参考資料(「運営の手引き」「資料集」「受付から接種まで効率的に実施するためのポイント」など)として、ホームページ上で広く紹介している。センターを運営する上での勤務員の業務、その要領・注意事項や受付から摂取までをスピードアップして効率的に行うための工夫等を詳細に紹介。続々と開設が進んでいる自治体や職域などでの大規模接種センターにとって、「良き手本」となる優れものである。