令和2年生活体験記事等
生活体験 防衛協会会報第151号(2.7.1)掲載
近畿日本鉄道株式会社鉄道本部 名古屋統括部運輸部津駅 駅長 青木 茂 氏
『職場長として体験を活かす』
私の生活体験入隊は、今回が2回目ですが、前回は主に身体と行動で習得する実践的なプログラムで体力的に大変厳しかった思い出があります。今回は、体力面の心配があったものの、職場長として「自分の仕事にどのように活かせるか」という、期待感を持って参加させていただきました。
基本教練では、敬礼の仕方、縦列歩行の号令、整列・方向転換等を訓練しました。組織で行動するためには、個人個人の意識を高めて同じ方向を向かせることが不可欠です。そのためには、誤りのない分かりやすい号令が重要であること、また、次の動作に移りやすいよう、タイミング良く号令をかけることで意識統一が図られ、さらなる組織の団結が生まれることを学びました。
第33普通科連隊の前田中隊長からは、自衛隊組織全体の説明や、自衛隊式リーダーシップについて講話していただきました。このなかで、「統率とは『指揮』即ち最適の判断を下し実行させること、及び『統御』即ち命令に服従する雰囲気を醸成することである。そのためには、部隊を掌握することから始まり、今後の行動方針等の明確な企図の確立、適時適切な命令を与え、任務達成に邁進させる」という、統率論を教授していただきました。
自衛隊組織と駅組織との共通点は多々あります。職場を預かる職場長として、部下を統率するためのノウハウに、非常に共感を覚えました。今回の体験を活かし、これからの指揮、指導育成に自衛隊での知見を取り入れて参る所存です。
最後に、自衛隊の皆様は、中東地域の安全確保や自然災害等における被災地での活動等、様々な任務を遂行されておりますが、これからも我々に感動や勇気を、さらに、笑顔を届けていただきますよう、ご活躍をお祈り申しあげます。
皆様、貴重な体験をありがとうございました。 (投稿:久居駐屯地広報室)
生活体験 防衛協会会報第149 号(2.1.1)掲載
北伊勢上野信用金庫 中園佳宏
『生活体験から学んだこと』
私は北伊勢上野信用金庫に入庫して2ヶ月弱経ち、仕事の内容も少しずつ理解し始め、慣れてきた頃でした。そこで今回、久居駐屯地で実施された生活体験に参加させて頂き多くのことを学び、考えることができました。
私がこの生活体験で一番に感じたことは、集団を動かすことは難しく、全員の協力が無ければ成り立たないということでした。号令を掛けるのも、どのようにしたら全体に伝わりやすいか、どうしたら動きやすいかなどを考えました。また、私が号令を受ける側の時は、
いつ号令を掛けられても対応できるように準備をしっかりとしました。そういった一人一人の意識が行動を変えて、集団が円滑に動くのだと感じました。
最終日には3分間スピーチをしました。前日から喋る内容を準備していたので詰まることなく喋れました。この時に、準備することの大切さを感じることができました。3分間スピーチを評価していただき、最後は42名の代表として前に立たさせていただきました。とても緊張しましたが、前で報告をさせていただけたことは自分にとって貴重な経験となりました。
本業に戻っても、生活体験で感じ、学んだ規律を守り、元気よく溌剌と日々努力していきます。北伊勢上野信用金庫でも、前に立ち引っ張っていけるような人間になれるように今回の生活体験を活かしていきたいですジャパンマリンユナイテッド株式会社 大塚美紗
『日本を守る自衛官の姿』
私は3日間、久居駐屯地で生活体験に参加した。これに参加した私の目的としては、日常と異なる環境下において団体生活に必要な規律を守る、共同生活を通じて、協調性・チームワークを習得する、社会人としてのマナーを身に付けることだった。
初日は、新しい環境に戸惑うかと思ったが、自衛隊の皆さんが優しく丁寧に教えて下さったおかげで、すぐに馴染むことができた。
駐屯地内では集団行動が基本で、単独行動は厳禁だった。その中で私は、自分の行動一つひとつに責任を持ち、周りに気を配って行動するよう努めた。また、自分の判断だけで勝手な行動をしないことが協調性やチームワークに繋がることを学んだ。
ほかにも、自衛隊では時間厳守が徹底され、5分前行動が重要だと学んだ。これは、自衛隊だけでなく社会人のマナーとしても心掛けるべきことだと思った。
この3日間で得たことは、行動のすべてに意味があるということだ。目的が見えず、やることの意義が分からないことでも、決して無駄ではなく、後々何かに繋がるということを教えて頂いた。今回、国を背負って働いている自衛隊の方々を間近に感じ、改めて立派なお仕事だと思った。また、男性が多い自衛隊の中で女性自衛官が活躍されているのを目の当たりにし、とても頼もしく、素敵だと思った。参加したのはたった3日という短い期間だったが、記憶に一生残る貴重な経験となった。