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各種挨拶・祝辞等

令和6年 年頭挨拶

防衛大臣 木原 稔

            防衛協会会報第165号(6.1.1)掲載
 わが国の領 土 領 海領空を断固として守り抜く
 ため、大きく4つの施策を特に推進する 
  
 全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力 会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 国際社会は今、戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入しているといえます。
 中国は東シナ海、南シナ海において、力による一方的な現状変更やその試みを推し進め、北朝鮮はかつてない高い頻度で弾道ミサイルを発射し、ロシアもウクライナ侵略を行うとともに、極東地域において活発な軍事活動を継続しています。今後、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて、戦後の安定した国際秩序の根幹を揺るがしかねない深刻な事態が発生する可能性が排除されません。
 このように、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、そして、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くため、防衛大臣として大きく4つの施策を特に推進していく考えで

す。

 1つ目は、令和4年12月に策定された国家安全保障戦略等に基づく、防衛力の抜本的強化の着実な実現です。スタンド・オフ防衛能力や無人アセット防衛能力といった将来の中核となる能力の強化に優先的に取り組むほか、持続性・強靱性の強化等重要な課題に取り組んでまいります。

 2つ目は、同盟国・同志国等との連携です。既存の国際秩序への挑戦が続く中、我が国は普遍的価値と戦略的利益等を共有する同盟国・同志国等と協力・連携を深めていくことが不可欠になっています。

 3つ目は、人への投資です。防衛力の中核は自衛隊員であり、人材の確保は大きな課題です。厳しい募集環境の中でも優秀な人材をしっかりと確保していくため、募集能力の強化のみならず、処遇の向上や生活・勤務環境の改善等を通じ、全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境を整備してまいります。

 4つ目は、防衛生産・技術基盤の強化です。防衛生産・技術基盤は、いわば防衛力そのものと位置付けられるものであり、その強化は必要不可欠です。

 そして、ハラスメントは人の組織である自衛隊の根幹を揺るがすものであり、ハラスメントを一切許容しない環境を構築することが必要です。防衛大臣として、ハラスメント防止対策に全力で取り組んでまいります。

 防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶とさせていただきます

統合幕僚長 陸将 吉田圭秀

             防衛協会会報第165号(6.1.1)掲載

時代の責任を果たす

 
 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平素より自衛隊に対する深い御理解と御厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

 一昨年から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵略に引き続き、昨年10月、ガザ地区におけるハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発しました。

 欧州及び中東における戦火を、インド太平洋地域に波及させないために、我が国及び日米同盟の抑止力・対処力を強化するとともに、インド太平洋地域に同盟国・同志国を結集する必要があり、その最前線にある我が国は、正に正念場の時代に入ったと感じています。

 本年も統合幕僚監部は、当面の作戦任務を完遂するともに、将来に向けた統合運用態勢の抜本的強化を進めて参ります。

 当面の作戦の完遂については、警戒監視・情報収集、対領空侵犯措置、ミサイル対処、在外邦人等輸送、災害派遣、海賊対処やPKO等の国際任務などを、「複合事態が常態化」する中、大局観を持ちながら完遂して参ります。

 統合運用態勢の抜本的強化については、①戦略レベルと作戦レベルの融合、②防衛力整備と防衛力運用の融合、③統合・日米共同・多国間連携・省庁間協力の融合の三つの「融合アプローチ」を推進し、国家防衛戦略で示された「2027年度までに我が国が主たる責任をもって、我が国への侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する」という目標達成に寄与して参ります。

 特に、本年の焦点は、令和6年度末に新設される常設の統合司令部の準備であり、平時から有事までシームレスに領域横断作戦を遂行できる体制を構築し、新設と同時に実効的に運用開始できるよう、全力で準備を推進して参ります。

 統合幕僚監部は、本年も、我が国を取り巻く波濤を超えて、統合運用態勢の抜本的強化に邁進し、「時代の責任を果たす」ことをお誓い申し上げますとともに、皆様にとって心穏やかな一年になるよう心からお祈り申し上げ、年頭のご挨拶と致します。

令和5年 年頭挨拶

防衛大臣 浜田 靖一

            防衛協会会報第161号(5.1.1)掲載


新たに策定した3文書に基づく防衛力の抜本的強化 

全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

国際社会は今、これまでに経験したことのない深刻な危機の中にあり、我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しています。

まず、ロシアが、国際法と相容れない軍事行動を公然と行ってウクライナを侵略し、罪のない多数の人命を奪うとともに、既存の国際秩序を揺るがしています。        

中国は、透明性を欠いたまま軍事力を急速に強化し、我が国排他的経済水域内への弾道ミサイル発射を含め、我が国周辺での活動を急速に拡大・活発化させています。   

また、北朝鮮は、かつてない高い頻度でかつ新たな態様での弾道ミサイル等の発射を繰り返しており、挑発を執拗かつ一方的にエスカレートさせています。

このように、国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入しています。欧州で起きていることはインド太平洋地域でも生起しうるものです。我が国が直面する現実に向き合い、将来にわたり我が国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜かなければなりません。

政府は昨年、あらゆる選択肢を排除せず現実的な検討を重ね、新たに「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」を策定しました。今後、防衛省・自衛隊としては、この方針に基づいて防衛力を抜本的に強化し、これまで以上に我が国の防衛に万全を期し、国民の皆様の期待と信頼に応えられるよう、防衛大臣として、今後とも全力を尽くしてまいる所存です。

また、昨年も国内各地での自然災害等において災害派遣を実施するとともに、海外においても、トンガ王国の火山島噴火の被害に関し、国際緊急援助活動を実施いたしました。本年も、国民の皆様の安全・安心の確保のため、また、人道的貢献及びグローバルな安全保障環境の改善のため、防衛省・自衛隊として活動を続けてまいります。

防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。

全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。

統合幕僚長 陸将 山崎幸二

             防衛協会会報第161号(5.1.1)掲載

統合運用態勢の更なる強化に向けて

 
 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと存じ上げます。
 現在の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさと不確実性を増しています。
 今年は、昨年末に策定された国家安全保障戦略等に基づき、各種取組を具現化していく最初の年にあたります。
 我が国の防衛という使命を果たすべく、自衛隊が一丸となり、各種任務を完遂するとともに、次の3点を重視して取り組んでいきます。
 1点目は、我が国の防衛力を抜本的に強化するための「統合運用態勢の強化」です。
 自衛隊は、平素から陸海空自衛隊を統合的に運用し、平時から有事までのあらゆる各種事態にシームレスに対応し得る態勢を構築するとともに、宇宙・サイバー・電磁波を含む領域横断作戦能力の一層の強化を図っていきます。また、常設の統合司令部の創設に向けた取組を推進するなど、統合運用能力を向上させ、抑止力及び対処力を強化していきます。
 2点目は、日米同盟強化のための「日米共同作戦能力及び相互運用性の更なる向上」です。
 自衛隊は、米軍とより実践的な共同訓練や演習を通じ、あらゆるレベルでの連携を更に強化し、日米共同作戦能力の向上を図っていきます。
 3点目は、自由で開かれたインド太平洋ビジョンを実現するための「同志国等との連携強化」です。
 「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、同盟国のみならず、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する同志国と各種防衛協力・交流を推進し連携を強化していきます。
 新たな年を迎えるにあたり、国民の皆様の負託に応えるため、「真に戦える自衛隊」を実現するとともに、使命の完遂に引き続き邁進することをお誓いいたします。
 本年も引き続き自衛隊への変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和4年年頭挨拶             防衛協会会報第157号(4.1.1)掲載

防衛大臣 岸 信夫


あらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組む

  

全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 
 旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 
 我が国周辺では、軍備増強が加速し、サイバー攻撃の脅威が増大するなど、安全保障環境に大きな変化が生じています。
 
 中国は、核・ミサイル戦力や海上航空戦力を中心に軍事力を一層強化しており、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域の軍事利用にも熱心です。 また、昨今の北朝鮮の核・ミサイル関連技術の著しい発展は、我が国と地域の安全保障にとって看過できないものだと考えています。
 
 このように、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜かなければなりません。国家安全保障戦略などの改定に取り組む中で、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を含め、あらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。
 
 また、昨年は新型コロナウイルス感染症が急速に拡大する状況の中で、ワクチン接種を加速するため、防衛省・自衛隊は、東京及び大阪において自衛隊大規模接種センターを設置・運営いたしました。同センターの設置は、全国の自治体や他の大規模接種会場の設置の大きな後押しとなり、大変意義があったと考えています。
 
 また、旧年中も各地での自然災害において災害派遣を実施しました。厳しい環境での救援活動は、自衛隊であるからこそできるものであるのだと言えます。
 
 本年も引き続き、国民の皆様の期待と信頼に確実に応えられるよう、防衛大臣として、25万人の隊員の先頭に立ち、全力で職責を果たしてまいる考えです。
 
 防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。
 
 全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。



統合幕僚長 陸将 山崎幸二

統合運用態勢の更なる強化

 

新年、おめでとうございます。皆様におかれましては、穏やかな新春をお迎えのことと存じ上げます。

現在の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、周辺国による軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向は依然として顕著であります。

こうした状況を踏まえ、令和4年は、自衛隊の統合運用態勢強化に当たり次の3点を重視して参ります。

1点目は、統合の更なる発展による「抜本的な防衛力の強化」です。現下の安全保障環境に的確に対応するため、新たな国家安全保障戦略、防衛計画の大綱等の策定に向け、各種検討に着手しました。領域横断作戦の深化の必要性が高まる中、「多次元統合防衛力」構築に向けて、新たな領域に係る態勢整備や全領域での能力向上を図って参ります。

2点目は、「日米同盟の更なる強化」です。

国家間の競争が顕在化している今、普遍的価値と戦略的利益を共有する米国との更なる関係強化は、わが国の安全保障にとってこれまで以上に重要です。米軍との共同による抑止力を有効に機能させ、隙のない態勢を構築し、あらゆる事態に適切に対応して参ります。

3点目は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現です。地域全体の平和と繁栄を確保するためには、日米同盟を基軸に豪印や欧州、アジア各国等の同じ志を持つ国々と平素から連携を密にし、望ましい安全保障環境の創出に向け協働することが極めて重要です。防衛交流、能力構築支援、共同訓練などの様々な取組を通じ、多角的・多層的な安全保障協力の推進に努めて参ります。

新年にあたり、時代の趨勢に適応し、国家、国民の皆様の負託に応えるため、陸海空自衛隊が一丸となり使命の完遂に引き続き尽力することをお誓いいたします。

本年も引き続き自衛隊への変わらぬご協力とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

令和3年年頭挨拶             防衛協会会報第153号(3.1.1)掲載

防衛大臣 岸 信夫

「防衛大臣として25万人の隊員の先頭に立ち、全力で職責を果たす
 
 全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 わが国を取り巻く安全保障環境は極めて速いスピードで変化し、一層厳しさと不確実性を増しています。中国は、東シナ海をはじめとする海空域において、力を背景とした一方的な現状変更を試みるとともに軍事活動を拡大・活発化させています。また、北朝鮮の軍事動向は、依然として弾道ミサイルを開発するなど、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威です。このような状況の中、いかなる事態においても、防衛省・自衛隊は、国民の平和な暮らし、そして、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くべく、万全の態勢を維持していかなければなりません。
 防衛省・自衛隊は、防衛大綱、中期防に基づき、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域で優位性を確保し、すべての領域を横断的に連携させた、真に実効的な防衛力を構築してまいります。
 また、昨年は新型コロナウイルス感染症の脅威に直面する中、防衛省・自衛隊は、帰国邦人などへの対応として、チャーター機や空港における検疫、医療及び生活支援、自治体職員や民間宿泊施設従業員などに対する市中感染拡大防止のための教育支援を行うとともに、自衛隊病院等において陽性患者を受け入れるなど本年も、引き続き、国民の皆様の期待と信頼に確実に応えられるよう、防衛大臣として、25万人の隊員の先頭に立ち、全力で職責を果たしてまいる考えです。
 防衛省・自衛隊の活動、取組は、国民の皆様からの御理解と御協力があって全うされるものであります。
 全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。

統合幕僚長 陸将 山崎幸二

「多次元統合防衛力」の構築及び「自由で開かれたインド太平洋」の実現に邁進
 
 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、安全保障面にも様々な影響をもたらしました。自衛隊は、大規模な感染症対応や、令和2年7月豪雨における、コロナ禍での災害対応を実施しましたが、災害派遣に従事した隊員から1名の感染者も出すことなく、任務を完遂することが出来ました。また、このような中でも、中国の軍事活動の拡大・活発化や尖閣諸島周辺における力を背景とした一方的な現状変更の試み等、周辺国の活発な軍事活動に変化はなく、警戒監視、対領空侵犯措置等の各種任務に万全を期して参りました。
 本年も、「我が国の平和と独立を守り、領土・領海・領空を守り抜く」という自衛隊の使命を果たすため、各種任務を遂行するとともに、「多次元統合防衛力」の構築及び「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に邁進致します。このため、引き続き、陸・海・空の従来領域の能力強化に加え、宇宙・サイバー・電磁波の新領域を含め、領域横断作戦に必要な能力の強化を推進します。  
 また、事態の特性に応じた活動の継続的な実施を可能とする統合輸送能力や各種情報通信等の基盤整備を継続し、統合運用を支える能力の更なる強化を図って参ります。加えて、我が国の防衛力を主体的・自主的に強化しつつ、幅広い分野における日米共同対処能力の強化を図り、日米同盟をより一層強化するとともに、米豪印をはじめとする普遍的価値やルールを共有する友好国との連携強化を図ります。この際、能力構築支援や防衛装備・技術協力等といった幅広い手段の効果的な活用に努めます。
 最後に、陸・海・空自衛隊が一丸となり、日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、本年が皆様にとって幸多き一年となりますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

令和2年年頭挨拶            防衛協会会報第149号(2.1.1)掲載

防衛大臣 河野 太郎

「我が国自らの努力が、わが国の平和と独立を守っていくために何より重要
 
 全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今、わが国を取り巻く安全保障環境や防衛省・自衛隊を取り巻く状況は大きく変化しておりますが、国民の命と平和な暮らしを守り抜くという防衛省・自衛隊の使命はいささかも変わりません。
 厳しい安全保障環境の下で、わが国の平和と独立を守っていくために何より重要なのは、わが国自らの努力です。このため、陸海空という従来の領域や宇宙・サイバー・電磁波といった新領域における能力の構築・強化を図るほか、後方分野も含めた防衛力の持続性・強靭性を強化してまいります。さらに、各国との安全保障協力を強化するため、防衛大臣就任以降、各国の国防大臣と会談を重ね、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンの下、地域の安定と繁栄に貢献していく考えを伝えてきました。
また、昨年は多くの自然災害が発生し、自衛隊は、令和元年台風15号や台風19号などにおいて、災害救援活動を実施いたしました。災害派遣の要請を受けた隊員は度々出動し、被災者に寄り添いながら士気高く災害派遣の任務に当たっています。 
 令和の時代も、引き続き、国民の皆様の期待と信頼に確実に応えられるよう、防衛大臣として、25万人の隊員の先頭に立ち、全力で職責を果たしてまいる考えです。
 防衛省・自衛隊の活動、取組は、国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。

統合幕僚長 陸将 山崎幸二

「良き伝統を継承しつつ、令和の時代に相応しい自衛隊へと進化し飛躍する年に
 
 昨年は、5月1日に皇位継承が行われ、「令和」の時代が幕を開けるなど、わが国にとって大きな節目の年となりました。
 一方で、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさと不確実性を増す中、宇宙・サイバ―・電磁波といった新領域の脅威への適切な対応が求められるなど、テクノロジ―の進化に伴い安全保障のあり方が根本的に変わる新時代が到来しております。
 このような中、昨年は、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、「多次元統合防衛力の構築」に着手するとともに、警戒監視、対領空侵犯措置、弾道ミサイル防衛等に万全を期す一方、広域かつ甚大な被害をもたらした台風第19号などの大規模災害に対しても、関係機関等と連携し、人命救助や給食・給水・入浴支援等、被災者の方々に寄り添った活動を実施して参りました。
 また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動により航行の安全を確保するとともに、日米共同統合演習や自衛隊統合演習等を通じ、統合運用能力の維持・向上に努めて参りました。
 本年は、良き伝統を継承しつつ、令和の時代に相応しい自衛隊へと進化し飛躍する年にしたいと思います。あらゆる事態に即応し得るよう、領域横断作戦に必要な能力や統合運用を支える能力を向上するとともに、米国を始め関係国軍との連携強化などを図り、統合運用態勢をより一層強化して参る所存であります。
 また、本年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定であり、関係省庁等と連携し、安全確保と円滑な実施に協力して参ります。
 結びに、今後も時代の変化に適切に対応し、国民の負託に応えるべく日々の隊務に精励することをお誓いするとともに、本年が防衛協会の皆様にとりまして幸多い年となりますよう、ご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます
 

平成31年年頭挨拶             防衛協会会報第145号(31.1.1)掲載

防衛大臣 岩屋 毅

新防衛計画大綱に基づく新たな領域での優位性確保


全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

昨年末、政府は、今後のわが国の防衛の在るべき姿を示す指針である「防衛計画の大綱」と、それを具現化するための「中期防衛力整備計画」を決定いたしました。
わが国を取り巻く安全保障環境は、従来考えられていたより格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。北朝鮮は、昨年、朝鮮半島の完全な非核化に向けた意思を表明しましたが、その後、全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄は進んでおらず、北朝鮮がわが国を射程に収める数百発の弾道ミサイルを実戦配備している状況に変化はありません。また、中国は、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、わが国周辺海空域において、また、南シナ海において、軍事活動を拡大・活発化させています。こうした中国の動向については、国防政策や軍事力の不透明性と相まって、わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後も強い関心を持って注視していく必要があります。
このような厳しい環境に対応するため、新たな「防衛計画の大綱」においては、これまで構築してきた統合機動防衛力をさらに深化させ、陸・海・空という従来からの領域だけではなく、宇宙・サイバー・電磁波を含む全ての領域の能力を融合させた、真に実効的な防衛力として、「多次元統合防衛力」を構築することといたしました。また、少子高齢化の進展や、軍事技術の発展に対応するため、人的基盤、技術基盤、産業基盤の強化にも取り組んでいくこととしております。これらの実現は決して容易ではありませんが、わが国の防衛に万全を期すため、私自身が先頭に立って挑戦していく考えです。
また、昨年は国内外で多くの自然災害が発生しました。自衛隊は、7月の西日本豪雨や9月の北海道胆振(いぶり)東部地震などにおいて、災害救援活動を実施いたしました。また、海外においても、10月にはインドネシアでの地震に係る国際緊急援助活動を実施しました。今後とも自衛隊による災害救援に対する内外の期待に応えられるよう、駐屯地等の機能維持・強化のための整備、救援活動に必要な資機材の整備等の施策を進めてまいります。
防衛省・自衛隊がこれらの新たな施策を進めていく上で、国民の皆様から御理解と御協力を得ることは決定的に重要です。全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。
 

統合幕僚長 海将 河野克俊

領域横断作戦遂行能力を向上し多次元統合防衛力の着実な推進
防衛協会の皆様、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。また、旧年中に賜りましたご支援・ご協力に、心より御礼申し上げます。
さて、わが国を取り巻く昨今の安全保障環境は、様々な課題や不安定要因がより顕在化・先鋭化し、一層厳しさを増しております。
そのような中、自衛隊は、365日24時間態勢で事態に即応できる態勢を維持しています。
 昨年は、「平成30年7月豪雨」等に伴う災害発生に際し、各種災害派遣活動を実施、国外においては、インドネシア共和国に国際緊急援助隊を派遣致しました。ソマリア沖・アデン湾においては、現在も海賊対処を実施しております。また、国際社会と連携し、国連安保理決議の実効性確保のため、北朝鮮による「瀬取り」の監視活動に取り組みました。
訓練面では、平成30年日米共同統合演習等を通じ、各種事態における統合運用要領を演練し、また、米国を始めとする各国との防衛協力・交流を実施しました。
 今年は、各種事態に対応し得るよう、昨年末に示された新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を踏まえ、陸海空のみならず、宇宙、サイバー及び電磁波といった新たな領域を組み合わせた領域横断作戦を遂行するための能力を向上し「多次元統合防衛力」の構築を着実に進めてまいります。
一方で、昨年生起させました、民間の方々に被害を及ぼすという、自衛隊としてあってはならない事故に対する痛切な反省を踏まえ、安全管理に対する指導と再発防止策の徹底を図ってまいります。
最後になりましたが、防衛協会の皆様の変わらぬご支援・ご協力をお願い申し上げるとともに、皆様のご健勝とご多幸を御祈念申し上げます。
 
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