各種挨拶・祝辞等
令和6年 年頭挨拶
防衛大臣 木原 稔
す。
1つ目は、令和4年12月に策定された国家安全保障戦略等に基づく、防衛力の抜本的強化の着実な実現です。スタンド・オフ防衛能力や無人アセット防衛能力といった将来の中核となる能力の強化に優先的に取り組むほか、持続性・強靱性の強化等重要な課題に取り組んでまいります。
2つ目は、同盟国・同志国等との連携です。既存の国際秩序への挑戦が続く中、我が国は普遍的価値と戦略的利益等を共有する同盟国・同志国等と協力・連携を深めていくことが不可欠になっています。
3つ目は、人への投資です。防衛力の中核は自衛隊員であり、人材の確保は大きな課題です。厳しい募集環境の中でも優秀な人材をしっかりと確保していくため、募集能力の強化のみならず、処遇の向上や生活・勤務環境の改善等を通じ、全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境を整備してまいります。
4つ目は、防衛生産・技術基盤の強化です。防衛生産・技術基盤は、いわば防衛力そのものと位置付けられるものであり、その強化は必要不可欠です。
そして、ハラスメントは人の組織である自衛隊の根幹を揺るがすものであり、ハラスメントを一切許容しない環境を構築することが必要です。防衛大臣として、ハラスメント防止対策に全力で取り組んでまいります。
防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶とさせていただきます。
統合幕僚長 陸将 吉田圭秀
防衛協会会報第165号(6.1.1)掲載
時代の責任を果たす
一昨年から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵略に引き続き、昨年10月、ガザ地区におけるハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発しました。
欧州及び中東における戦火を、インド太平洋地域に波及させないために、我が国及び日米同盟の抑止力・対処力を強化するとともに、インド太平洋地域に同盟国・同志国を結集する必要があり、その最前線にある我が国は、正に正念場の時代に入ったと感じています。
本年も統合幕僚監部は、当面の作戦任務を完遂するともに、将来に向けた統合運用態勢の抜本的強化を進めて参ります。
当面の作戦の完遂については、警戒監視・情報収集、対領空侵犯措置、ミサイル対処、在外邦人等輸送、災害派遣、海賊対処やPKO等の国際任務などを、「複合事態が常態化」する中、大局観を持ちながら完遂して参ります。
統合運用態勢の抜本的強化については、①戦略レベルと作戦レベルの融合、②防衛力整備と防衛力運用の融合、③統合・日米共同・多国間連携・省庁間協力の融合の三つの「融合アプローチ」を推進し、国家防衛戦略で示された「2027年度までに我が国が主たる責任をもって、我が国への侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する」という目標達成に寄与して参ります。
特に、本年の焦点は、令和6年度末に新設される常設の統合司令部の準備であり、平時から有事までシームレスに領域横断作戦を遂行できる体制を構築し、新設と同時に実効的に運用開始できるよう、全力で準備を推進して参ります。
統合幕僚監部は、本年も、我が国を取り巻く波濤を超えて、統合運用態勢の抜本的強化に邁進し、「時代の責任を果たす」ことをお誓い申し上げますとともに、皆様にとって心穏やかな一年になるよう心からお祈り申し上げ、年頭のご挨拶と致します。
令和5年 年頭挨拶
防衛大臣 浜田 靖一
新たに策定した3文書に基づく防衛力の抜本的強化
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
国際社会は今、これまでに経験したことのない深刻な危機の中にあり、我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しています。
まず、ロシアが、国際法と相容れない軍事行動を公然と行ってウクライナを侵略し、罪のない多数の人命を奪うとともに、既存の国際秩序を揺るがしています。
中国は、透明性を欠いたまま軍事力を急速に強化し、我が国排他的経済水域内への弾道ミサイル発射を含め、我が国周辺での活動を急速に拡大・活発化させています。
また、北朝鮮は、かつてない高い頻度でかつ新たな態様での弾道ミサイル等の発射を繰り返しており、挑発を執拗かつ一方的にエスカレートさせています。
このように、国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入しています。欧州で起きていることはインド太平洋地域でも生起しうるものです。我が国が直面する現実に向き合い、将来にわたり我が国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜かなければなりません。
政府は昨年、あらゆる選択肢を排除せず現実的な検討を重ね、新たに「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」及び「防衛力整備計画」を策定しました。今後、防衛省・自衛隊としては、この方針に基づいて防衛力を抜本的に強化し、これまで以上に我が国の防衛に万全を期し、国民の皆様の期待と信頼に応えられるよう、防衛大臣として、今後とも全力を尽くしてまいる所存です。
また、昨年も国内各地での自然災害等において災害派遣を実施するとともに、海外においても、トンガ王国の火山島噴火の被害に関し、国際緊急援助活動を実施いたしました。本年も、国民の皆様の安全・安心の確保のため、また、人道的貢献及びグローバルな安全保障環境の改善のため、防衛省・自衛隊として活動を続けてまいります。
防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。
統合幕僚長 陸将 山崎幸二
防衛協会会報第161号(5.1.1)掲載
統合運用態勢の更なる強化に向けて
令和4年年頭挨拶 防衛協会会報第157号(4.1.1)掲載
防衛大臣 岸 信夫
あらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組む
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中に防衛省・自衛隊に賜りましたご支援・ご協力に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
我が国周辺では、軍備増強が加速し、サイバー攻撃の脅威が増大するなど、安全保障環境に大きな変化が生じています。
中国は、核・ミサイル戦力や海上航空戦力を中心に軍事力を一層強化しており、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域の軍事利用にも熱心です。 また、昨今の北朝鮮の核・ミサイル関連技術の著しい発展は、我が国と地域の安全保障にとって看過できないものだと考えています。
このように、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜かなければなりません。国家安全保障戦略などの改定に取り組む中で、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を含め、あらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。
また、昨年は新型コロナウイルス感染症が急速に拡大する状況の中で、ワクチン接種を加速するため、防衛省・自衛隊は、東京及び大阪において自衛隊大規模接種センターを設置・運営いたしました。同センターの設置は、全国の自治体や他の大規模接種会場の設置の大きな後押しとなり、大変意義があったと考えています。
また、旧年中も各地での自然災害において災害派遣を実施しました。厳しい環境での救援活動は、自衛隊であるからこそできるものであるのだと言えます。
本年も引き続き、国民の皆様の期待と信頼に確実に応えられるよう、防衛大臣として、25万人の隊員の先頭に立ち、全力で職責を果たしてまいる考えです。
防衛省・自衛隊の活動、取組は国民の皆様から御理解と御協力があって全うされるものであります。
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。
統合幕僚長 陸将 山崎幸二
統合運用態勢の更なる強化
新年、おめでとうございます。皆様におかれましては、穏やかな新春をお迎えのことと存じ上げます。
現在の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、周辺国による軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向は依然として顕著であります。
こうした状況を踏まえ、令和4年は、自衛隊の統合運用態勢強化に当たり次の3点を重視して参ります。
1点目は、統合の更なる発展による「抜本的な防衛力の強化」です。現下の安全保障環境に的確に対応するため、新たな国家安全保障戦略、防衛計画の大綱等の策定に向け、各種検討に着手しました。領域横断作戦の深化の必要性が高まる中、「多次元統合防衛力」構築に向けて、新たな領域に係る態勢整備や全領域での能力向上を図って参ります。
2点目は、「日米同盟の更なる強化」です。
国家間の競争が顕在化している今、普遍的価値と戦略的利益を共有する米国との更なる関係強化は、わが国の安全保障にとってこれまで以上に重要です。米軍との共同による抑止力を有効に機能させ、隙のない態勢を構築し、あらゆる事態に適切に対応して参ります。
3点目は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現です。地域全体の平和と繁栄を確保するためには、日米同盟を基軸に豪印や欧州、アジア各国等の同じ志を持つ国々と平素から連携を密にし、望ましい安全保障環境の創出に向け協働することが極めて重要です。防衛交流、能力構築支援、共同訓練などの様々な取組を通じ、多角的・多層的な安全保障協力の推進に努めて参ります。
新年にあたり、時代の趨勢に適応し、国家、国民の皆様の負託に応えるため、陸海空自衛隊が一丸となり使命の完遂に引き続き尽力することをお誓いいたします。
本年も引き続き自衛隊への変わらぬご協力とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。令和3年年頭挨拶 防衛協会会報第153号(3.1.1)掲載
防衛大臣 岸 信夫
統合幕僚長 陸将 山崎幸二
令和2年年頭挨拶 防衛協会会報第149号(2.1.1)掲載
防衛大臣 河野 太郎
統合幕僚長 陸将 山崎幸二
平成31年年頭挨拶 防衛協会会報第145号(31.1.1)掲載
防衛大臣 岩屋 毅
新防衛計画大綱に基づく新たな領域での優位性確保
全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の会員の皆様、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
わが国を取り巻く安全保障環境は、従来考えられていたより格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。北朝鮮は、昨年、朝鮮半島の完全な非核化に向けた意思を表明しましたが、その後、全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での廃棄は進んでおらず、北朝鮮がわが国を射程に収める数百発の弾道ミサイルを実戦配備している状況に変化はありません。また、中国は、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、わが国周辺海空域において、また、南シナ海において、軍事活動を拡大・活発化させています。こうした中国の動向については、国防政策や軍事力の不透明性と相まって、わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後も強い関心を持って注視していく必要があります。
このような厳しい環境に対応するため、新たな「防衛計画の大綱」においては、これまで構築してきた統合機動防衛力をさらに深化させ、陸・海・空という従来からの領域だけではなく、宇宙・サイバー・電磁波を含む全ての領域の能力を融合させた、真に実効的な防衛力として、「多次元統合防衛力」を構築することといたしました。また、少子高齢化の進展や、軍事技術の発展に対応するため、人的基盤、技術基盤、産業基盤の強化にも取り組んでいくこととしております。これらの実現は決して容易ではありませんが、わが国の防衛に万全を期すため、私自身が先頭に立って挑戦していく考えです。
また、昨年は国内外で多くの自然災害が発生しました。自衛隊は、7月の西日本豪雨や9月の北海道胆振(いぶり)東部地震などにおいて、災害救援活動を実施いたしました。また、海外においても、10月にはインドネシアでの地震に係る国際緊急援助活動を実施しました。今後とも自衛隊による災害救援に対する内外の期待に応えられるよう、駐屯地等の機能維持・強化のための整備、救援活動に必要な資機材の整備等の施策を進めてまいります。
防衛省・自衛隊がこれらの新たな施策を進めていく上で、国民の皆様から御理解と御協力を得ることは決定的に重要です。全国防衛協会連合会並びに全国各地の防衛協会・自衛隊協力会の皆様方には、これまでも様々な形で自衛隊を支えていただいておりますが、本年も防衛省・自衛隊に対し変わらぬ御支援を賜りますようお願いいたします。皆様方の益々の御発展と御多幸を祈念しまして、新年の挨拶といたします。