記念式典トピックス
会長式辞
本日は、ご多忙の折、宮澤博行衆議院議員をはじめ、防衛省・自衛隊、各協力団体等、多数の御来賓の皆様にご臨席を賜り、全国防衛協会連合会創立30周年記念式典を挙行できますことを厚く御礼申し上げます。
私達の活動の歴史を顧みますと、昭和29年の自衛隊発足以来、日夜黙々と訓練に励み、災害時には被災者に寄り添って派遣任務に従事する自衛隊及びその隊員を何とか激励・支援しようという思いから、自衛隊が所在する全国の市町村の地域住民によって防衛協会や自衛隊協力会が結成されました。その後、逐次各都道府県単位に纏まり、活動の輪を広げて参りましたが、この活動を一層効果的にするため、平成元年10月25日に、各都道府県防衛協会の総意で、連合組織として全国防衛協会連合会が設立されました。
連合会が発足した平成元年には、冷戦構造が崩壊し、その後の30年間には、我が国の安全保障環境は激変し、また国内では大きな自然災害を経験して、自衛隊の役割やそれに対する国民の期待感も大きく変わってきていると感じます。
平成3年には自衛隊の初めての海外での実任務として、ペルシャ湾派遣が行われ、その後もカンボジアPKO、イラク派遣、近年では、平成27年のソマリア沖海賊対策部隊派遣など、海外での国際貢献を重ねてきました。当連合会としては、こうした海外への派遣部隊並びに国内での災害派遣部隊等に対する激励・支援を活動の一環として実施して参りました。
この他に、防衛問題に関する調査研究及び提言、有識者による講演会の開催、自衛隊並びに米軍基地等での研修、会員の富士総合火力演習見学や自衛隊音楽まつり鑑賞など、様々な事業の遂行により、自衛隊の活動への理解と国防意識の高揚を醸成する活動に努めております。
また、平成13年6月には、全国防衛協会連合会女性部会並びに全国防衛協会連合会青年部会を設置し、それぞれ毎年全国各地で研修会を開催するなど、全国レベルで活動を活発化してきております。
当連合会は、こうした様々な活動を通して、今では全国各地に多くの会員を有する自衛隊協力団体に発展して参りましたが、この長きにわたりご指導・ご支援を賜りました防衛省はじめ協力企業・団体の皆様には厚く御礼申し上げますと共に、本会の目標達成と発展のために並々ならぬご尽力を頂き、今日の各地方協会を支えて頂いている会員各位にあらためて深く感謝致します。
近年、我が国周辺の安全保障環境は、一段と厳しさを増しております。こうした中にあって、自衛隊の皆様が崇高な任務に士気高く邁進できるように、当連合会は、「国民の防衛意識の高揚」と「自衛隊への支援・協力及び自衛隊と国民との一体感の醸成」という理念を掲げて、新しい令和の時代におきましても、引き続き会勢拡大を図りつつ、各種事業を着実に推進して参る所存であります。
関連各位におかれましては、今後とも従前に変わらぬご協力を賜ります様お願い申し上げます。
最後になりますが、本日ご臨席賜りました御来賓の皆さまのご健勝、並びに各協会の益々のご発展と会員各位のご健勝を祈念して、ご挨拶と致します。
令和元年6月12日
総理大臣祝辞
全国防衛協会連合会が創立30周年を迎えられましたことを心よりお祝い申し上げます。
平成元年の貴連合会の創立以来、我が国の防衛基盤の育成と自衛隊に対する支援・協力のため、全国各地で日々活動されていることに、内閣総理大臣として深甚なる敬意を表するとともに、心より感謝申し上げます。
更に遡れば、戦後、自衛隊が産声をあげて間もない頃に全国各地で結成された自衛隊協力会、防衛協会の時代より、長年にわたり自衛隊を支えて頂いてきました。自衛隊の最高指揮官として、全ての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うすることは、我が国が独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、その根幹は、自らの主体的・自主的な努力であります。そうした意味で、貴連合会が設立以来、「自分の国は自分で守ろう」を合言葉に、全国津々浦々で、熱心な活動を展開しておられることは、誠に心強く思います。
冷戦の終結と共に始まった平成の30年間。我が国を取り巻く安全保障環境は激変し、大きな災害も相次ぎましたが、困難な現場には、常に自衛隊員の姿がありました。また、PKO法の制定以降、延べ約六万人の自衛隊員が世界各地で、平和と安定のため、汗を流してきました。
自衛隊が、貴連合会、そして会員の皆様とともに歩んだ平成の時代。過酷な環境のもとでも、高い士気を保ち、全力を出し切ることができたのは、皆様のお力添えがあってこそだと思います。
新しい令和の時代に入り、自衛隊も、時代の変化に適応し、新たな進化を開始します。
軍事技術は格段のイノベーションを遂げ、陸・海・空における対応を重視してきた安全保障の在り方を根本から変えようとしています。もはや、今までの延長線では、この国を守り抜くことはできません。宇宙・サイバー・電磁波といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、次なる時代の防衛力の構築に向け、今までとは抜本的に異なる速度で、変革を推し進めていきます。同時に、積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定に、これまで以上に積極的に寄与していく考えです。
皆様には、今後とも変わらぬ御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
全国防衛協会連合会が、この記念すべき30周年を機に、新たな時代において、さらに組織を拡充し、活動を充実進展されることを祈念し、私の祝辞とさせて頂きます。
令和元年6月12日