本文へ移動

次へ
上記、【日本国憲法と自衛隊】は
1冊200円(税込み)で販売しています。
お問合せは、こちら
TEL:03-5579-8348
 
 
【ご協力・協賛】
 全国防衛協会連合会では、当協会の活動の趣旨にご協力・賛同いただける企業様・事業者様を対象に、当協会ホームページのトップページへのバナー広告掲載を募集しています。ホームページをお持ちの企業や事業者の皆様、PRやイメージアップのため、ぜひご検討ください。
 また、4半期に1回発刊の会報紙「防衛協会報」への広告掲載も募集しております。
 詳細は、全国防衛協会連合会事務局にお問い合わせください。
☎03-5579-8348
2022年1月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31

防衛時評

令和4年

理事長 金澤博範                  防衛協会会報第157号(4.1.1)掲載

年頭にあたって
 

 中国は、過去30年以上にわたり透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させ、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に軍事力の質・量を広範かつ急速に強化しています。

 このような作戦遂行能力の強化に加え、中国は既存の国際秩序と相いれない独自の主張に基づき、東シナ海をはじめとする海空域において力を背景にした一方的な現状変更を試みるとともに軍事活動を拡大・活発化させています。特に海洋における対立する問題をめぐっては、高圧的な対応を継続させており、その中には不測の事態を招きかねない危険な行為も見られま

す。中国はこのような行為を通じて力を背景にして現状変更の既成事実化を実現しようとしています。

 中国指導部は、わが国固有の領土である尖閣諸島に対する「闘争」の実施、「東シナ海防空識別区」の設定及び海・空軍による「常態的な巡行」などを軍の成果として誇示し、今後とも軍の作戦遂行能力の向上に努める旨強調しています。また近年、中国軍が東シナ海や太平洋、日本海といった我が国周辺などでの活動を急速に拡大・活発化させてきたことを踏まえれば、中国はこれまでの活動の常態化を意図しているのみならず質・量両面の更なる活動の拡大・活発化を推進する可能性が高いと思われます。こうした中国軍の動向は中国の国防政策の不透明さと相まって我が国を含む地域と国際社会の重大な懸念事項となっています。

 北朝鮮はこれまで6回の核実験を実施したほか、近年、前例のない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、大量破壊兵器や弾道ミサイル開発の推進とその運用能力の向上を図ってきています。核兵器についてはすでに小型化、弾頭化に成功し、核ミサイルを我が国に投射する能力を保有しているとみられます。

 また北朝鮮は非対称的な軍事能力としてサイバー領域についての大規模な部隊を保持するとともに、軍事機密情報の窃取や他国の重要インフラへの攻撃能力の開発を行っているとみられるほか、大規模な特殊部隊を保持しています。

 加えて北朝鮮はわが国を含む関係国に対し挑発的な言動を繰り返してきており、こうした北朝鮮の動向は、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものです。

 ロシアは、国際的地位の確保と核戦力における米国とのバランスをとるため、並びに通常戦力における劣勢を補うため核戦力を重視しており、その一部は我が国周辺の極東地域に配備されています。

 我が国固有の領土である北方領土において、ロシアは旧ソ連時代から地上軍部隊を配備しています。その規模はピーク時に比べ縮小しているとはいえ、現在でも1個師団規模の戦力を配備しており、2016年には択捉島及び国後島に地対艦ミサイルを配備し2020年には地対空ミサイルシステムを配備するなどその更新近代化に努めています。また従来から所在していた択捉島の天寧軍用飛行場に加え、2014年に開港した新民間空港を軍民共用としてここに新鋭戦闘機を配備しています。

 軍事面でのロシアと中国の関係を見ると近年両国は緊密の度を加えています。 

2015年にロシア製の新鋭地対空ミサイルや新鋭戦闘機の輸出契約を締結したほか、運用面でも関係を深めています。最近では2019年以降3年続けて両国の爆撃機が日本海、東シナ海及び太平洋で共同飛行を実施し、2021年には両国の海軍艦艇が大隅海峡を共同して通峡するなど我が国に対する示威行動とも受け取れる活動をしました。

 米国のトランプ前政権は安全保障及び国防の基本方針を明らかにした文書において、中国及びロシアを修正主義勢力と位置づけ、両国との戦略的競争を重視する姿勢を明らかにしてきました。トランプ政権は特に中国を抑止するためとし

て、インド太平洋地域の安全保障を最重視し、この地域に前方展開の軍事プレゼンスを維持し、米艦艇による南シナ海における「航行の自由作戦」や台湾海峡の通峡を繰り返し実施したほか、軍事転用の恐れがある技術分野の競争力確保や技術窃取の防止のための措置を強化するなど、対中抑止の姿勢を強化してきました。

 2021年1月にトランプ政権を引き継いだバイデン政権は、3月に発表した「国家安全保障戦略暫定指針」において、インド太平洋地域と欧州地域における米軍のプレゼンスを最重要視する方針を明らかにしています。中国については、安定し開かれた国際システムに対して持続的に挑戦する能力を秘めた唯一の競争相手と位置づけ、長期的に対抗していく考えを示しています。そして中国への対応に当たっては、強い立場を基盤とした取組みを重視し、国内の経済基盤の強化、国際機関における主導的な地位の回復、民主主義的価値観の国内外での擁護、軍事力の近代化、同盟関係などの再活性化により、米国の優位性を再構築し中国との戦略的な競争に勝利するとしています。

 その一環として、2021年9月ワシントンにおいて、バイデン米大統領、我が国の菅首相、モリソン豪首相及びモディ印首相によって日米豪印4か国会議(クアッド)が開かれました。この会議は対中戦略を念頭に設置されたもので今後毎年定例的に開催されることになっています。中国の膨張主義的行動に効果的に対応するためには関係国が歩調を揃えることが重要です。その意味でクアッドの果たす役割は今後大きくなると予想されます。本年のクアッドは日本で開催されます。 
TOPへ戻る