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防衛白書・防衛予算等

防衛協会会報第174号(8.4.1)掲載

中東緊迫、日本の備え加速、防衛費、初の9兆円台へ

 令和8年度防衛関係予算、過去最大規模で編成進む

 

 令和5年度から始まった防衛力整備計画は、5年間で総額43兆円規模の防衛関係費を確保する方針のもと、抑止力と対処力の抜本的強化を目指して進められている。

 令和8年度はその4年目にあたり、米軍再編関係費等を含めた当初予算ベースで、過去最大となる9兆353億円(前年比3349億円増、+3.8%)の予算が計上された。

 防衛関係費(当初予算)の推移を見ると、令和5年度の6.8兆円から令和6年度は7.9兆円、令和7年度には8.7兆円へと増加し、計画に基づく重点投資が段階的に進められている。

 令和8年度は、計画後半の要として、「スタンド・オフ防衛能力」「統合防空ミサイル防衛能力」「無人アセット防衛能力」など、いわゆる「7つの重点分野」への集中的な予算配分が行われている。特に、無人機や長射程ミサイルの整備は、島嶼部を含む広域な防衛体制の構築に不可欠とされており、各分野への配分額も明確に示されている(図表1参照)。

 また、装備面に加え、防衛力の根幹をなす人的基盤の強化にも力が注がれている。自衛官の処遇改善や人材確保、女性や専門人材の活躍推進など、多様な人材が活躍できる環境整備が進められており、関連経費は過去最大規模の5814億円となった。

 さらに、無人アセットを活用した多層的沿岸防衛体制【SHIELD】の構築は、現下の中東情勢においても大きな注目を集めている。ロシア・ウクライナ戦争や今回の中東紛争において、ミサイルとともに大量に投入されている無人アセットは確実に成果をあげており、無人アセットが現代戦においていかに戦略的な役割を担っているかを如実に物語っている。

 SHIELDは、こうした新たな戦闘様相も踏まえ、日本の地理的特性に即した防衛体制として構想されており、島嶼部を含む広域な防衛網の中核を担う(図表2参照)。有人戦力の負担軽減と即応性の向上を両立する取り組みとして、今後の展開が注目される。

 中東情勢の緊迫化やエネルギー供給の不確実性が高まる中、日本の安全保障環境は一層厳しさを増している。現実的かつ持続可能な防衛力の構築に向け、令和8年度はその転換点となる重要な年といえる。

 今後は、装備と人材の両面における着実な実行と、国民理解のさらなる醸成が不可欠であり、不断の努力が求められる。

 国際情勢の変化を的確に捉え、柔軟かつ機動的に対応できる体制の確立が急務である。

図表2「無人アセットによる多層的沿岸防衛体制【SHIELD】の構築」

出典:防衛省「令和8年度予算案の概要」から抜粋加工
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