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防衛省・自衛隊活動記事等

令和7年

防衛協会会報第172号(7.10.1)掲載【投稿:第1師団】首都直下地震に備えた実効的訓練
令和7年度自衛隊統合防災演習に参加

 第1師団(当時の師団長・鳥海誠司陸将)は7月14日から18日までの間、令和7年度自衛隊統合防災演習(07JXR)に参加し、首都直下地震の発災を想定した指揮所訓練及び実動訓練を通じて、災害対処能力の向上と関係機関との連携強化を図った。本演習は首都直下地震という未曾有の災害に対し、自衛隊が迅速かつ的確に対応し、国民の生命・財産の保全と首都機能の維持に貢献することを目的として行われ、被害想定地域を隊区とする師団はその中核部隊として、多方面にわたる活動を展開した。


◆指揮所訓練における連携体制と情報統合の強化

 本訓練においては、東京都庁に師団司令部の連絡官(ⅬO)を派遣するとともに、東方総監部が設置する陸災東京都現地調整所に調整要員を配置し、さらに東方総監部にも師団の要員を派遣した。これにより、上級部隊・隷下部隊・関係自治体との緊密な連携のもと、災害派遣における「情報収集」「意思決定」「部隊運用」の各フェーズについて検証を行った。

 また、平素から災害時に至るまでの情報業務フロー及び一体的な運用要領の実効性についても確認を実施。加えて、各自衛隊学校から派遣された増強幕僚の配置・連絡調整要員としての運用方法について、司令部機能との適合性を検証した。

 さらに、被災状況に応じた予備自衛官の投入時期や規模の見積もり、師団各部隊から各担任区へのⅬO及び初動対処部隊(ファスト・フォース)の派遣状況、他方面隊から増援される師・旅団との引継ぎ状況の把握など、災害対応における部隊運用全体を多面的に検討。計画に反映可能な多くの教訓を得る有意義な訓練となった。


◆実動訓練における  即応力と調整力の向上

○7月14日:高速道路進入訓練

 東京都多摩地域におい

て、高速道路の緊急開口部を活用し、第34普通科連隊のⅬO要員が高速道路に進入する訓練を実施。中核給油地での給油を通じて、災害時における迅速かつ持続的な展開能力を実証した。


○7月16日:装備活用訓練

 第1普通科連隊及び第1偵察戦闘大隊が、民生品である四輪バギー及びスカイレンジャー(ドローン)を活用した訓練を実施。四輪バギーは悪路での機動性を活かし、物資輸送や救助者搬送に使用。スカイレンジャーは被害状況の把握や映像伝送に活用され、即応段階から生活支援段階への移行における柔軟な運用方法の有効性が確認された。


○7月17日:医療連携訓練

 余震の発生により避難所で負傷者が発生したとの想定のもと、東京都からの要請を受けて消防庁及び東京DMAT(災害派遣医療チーム)と連携し、救護所を設置。第1後方支援連隊が中心となり、衛生隊員がDMATの医師・看護師と協働して、負傷者のトリアージ(重症度分類)、応急処置、緊急搬送及び後送を実施した。民間医療機関との連携を踏まえた実践的な演練となり、平時からの調整の重要性を再認識する機会となった。


◆訓練参加隊員の声

 訓練に参加した隊員からは、「四輪バギーの機動性を確認できた。今回の訓練で得た知見をもとに、装備の具体的な活用方法を検討し、即応性をさらに高めていきたい」との声が聞かれた。また別の隊員は、「自治体や医療機関との連携を通じて、自衛隊の役割がより明確になった。今後も状況に応じた柔軟な対応力を養っていきたい」と述べている。


◆首都機能を守る“盾”としての使命

 本訓練を通じて師団は、災害対処における情報統合・意思決定・即応展開・連携調整といった一連の機能について、実効性の高い知見と教訓を得ることができた。今後も首都直下地震などの大規模災害を念頭に置き、不断の訓練と関係機関との信頼関係の構築を継続し、「国民の安全と安心の確保」「首都機能の維持」に貢献していく所存である。

指揮所訓練における連携体制と情報統合の強化
緊急開口部を利用し高速道路に進入する34普連ⅬO
バギーとドローンを活用し災害情報収集を行う1偵戦大
東京消防庁・東京DMATと連携して救護を行う1後支連
防衛協会会報第171号(7.7.1)掲載 国産初のジェット輸送機「C-1」退役

 令和7年3月19日、C―1輸送機の運用が幕を閉じた。初めての国産ジェット輸送機であり、開発時は技術的な壁というものは当然あったであろう。加えて、当時の予算状況や空港インフラ、国会における野党の反発など様々な制約といった、開発に携わった技術者や運用者にとっては力の尽くしようのない背景もあった様に聞く。その様な生い立ちにあっても、1970年11月の初飛行から約54年間、狭小飛行場でも運用可能な性能を遺憾なく発揮し、日本の空を駆け巡り航空輸送や空挺部隊支援を始め、災害派遣時の人員・救援物資の輸送などで活躍した事実は航空自衛隊の歴史に輝かしい記憶として残ることになるだろう。

   常任理事 山田真史 

フェニックスをモチーフにした特別塗装が施された入間基地のC―1試作2号機のラストフライト
防衛協会会報第170号(7.4.1)掲載 統合作戦司令部発足

初代統合作戦司令官に

南雲憲一郎空将

副司令官は、俵千城海将

 3月24日、防衛省・自衛隊に、統合運用の実効性を強化するため、陸海空自衛隊の一元的な指揮を行い得る常設の統合作戦司令部が、市ヶ谷に約240人体制で創設された。

 陸海空幕僚長と同格の初代統合作戦司令官には、統幕副長の南雲憲一郎空将が就任した。また、副司令官には海自佐世保地方総監の俵千城海将が就任した。


統合作戦司令部新設の意義


①陸・海・空自による統合作戦の指揮などについて、平素から統合作戦司令部に一本化することができる。


②平素から領域横断作戦の能力を錬成することができるため、統合運用の実効性が向上し、迅速な事態対応や意思決定を行うことが常続的に可能となる。


③従来統幕長が担っていた自衛隊と米軍との共同作戦を担当するインド太平洋軍司令官との調整を、新設の統合作戦司令部と統合作戦司令官が担うことで、作戦にかかる調整をより緊密に行い、日米共同対処能力を強化する

ことができる。


統幕との関係


【統幕の役割】

 自衛隊の運用に関し、軍事的見地から防衛大臣を補佐する「幕僚機関」


【統合作戦司令部の役割】

 自衛隊の運用に関し、平素から全国の陸・海・空自の部隊を一元的に指揮することを念頭に置いた「実動部隊」

出典:防衛省令和6年度予算の概要(要約版)を加工
出典:令和6年度防衛白書
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